障害のある子どもは、長時間同じ体位でいることや感覚障害・発汗の多さなどから、皮膚トラブルが起きやすい状態にあります。入浴による清潔ケアは単なる「さっぱりさせる」行為ではなく、皮膚の健康を守るための医療的意義があります。
このページでは、障害のある子どもに起きやすい皮膚トラブルの種類と予防のポイント、毎日清潔を保つための具体的な方法を解説します。
障害のある子どもに起きやすい皮膚トラブル
褥瘡(じょくそう)
寝たきり・長時間同じ体位でいると、骨が突出した部位(仙骨・坐骨・かかと・肩甲骨など)に持続的な圧迫が加わり、皮膚・皮下組織が壊死します。
褥瘡予防の基本は「体位変換(2時間ごとが目安)」「清潔な皮膚の維持」「栄養管理」の3点です。入浴・清拭による皮膚の洗浄は褥瘡予防の重要な要素です。
皮膚の浸軟(ふやけ・ただれ)
おむつ使用・発汗・胃ろう周囲の漏れなどで皮膚が長時間湿潤した状態になると、皮膚が柔らかくなりただれやすくなります。陰部・臀部・胃ろう周囲は特に注意が必要な部位です。
汗疹(あせも)・接触性皮膚炎
体温調節が難しいお子さんや発汗量が多いお子さんでは、汗疹が繰り返し起きることがあります。また、おむつのテープ・医療用テープの長期使用で接触性皮膚炎が生じることもあります。
乾燥・角化
感覚障害がある部位や、皮脂分泌が少ない部位では皮膚の乾燥・角化が起きやすいです。洗いすぎによる皮脂の除去も乾燥を悪化させるため、洗浄剤の選択・使用量にも注意が必要です。
皮膚ケアにおける入浴の役割
入浴はタオルで拭く清拭と比べて、以下の点で皮膚ケアに優れています。
- 皮脂・汗・菌を落とす洗浄効果が高い(清拭では落とせない皮脂が残る)
- 血行促進により皮膚の新陳代謝をサポートする
- 皮膚の観察をしやすい(全身を確認する機会になる)
- 精神的なリラクゼーション効果もある
毎日お湯で体を洗えることが、皮膚トラブルの早期発見と予防につながります。
毎日お湯で洗えない場合のリスク
「今日は清拭だけで終わってしまった」という日が続くと、皮脂・汗・細菌が蓄積し皮膚トラブルのリスクが高まります。特に褥瘡リスクが高いお子さん・感覚障害がある部位・おむつ使用部位は、毎日お湯で洗うことの意義が大きいです。
清拭だけで終わらせてしまう罪悪感を抱えているご家族も多くいます。清拭だけで終わらせてしまう日の罪悪感について詳しく読む
浴槽に入れない日も毎日お湯で洗える方法
訪問入浴がない日・体調不良で浴室に行けない日・浴槽への移乗が難しい日でも、毎日お湯で体を洗うための選択肢としてスイトルボディがあります。
ノズルからお湯を噴射しながら汚水を同時に吸引するため、ベッドのシーツを濡らさずに体幹・四肢・背中・頭を丁寧に洗い流せます。清拭では落としきれない皮脂・汗・細菌をお湯でしっかり除去できるため、皮膚ケアの質が大きく向上します。
皮膚の状態を観察しながら洗えるため、褥瘡の早期発見にも役立つという声が訪問看護師からも聞かれます。
入浴・皮膚ケアのポイントまとめ
洗浄剤の選び方
- 低刺激・無香料・弱酸性のボディソープを選ぶ
- 皮膚が乾燥しやすい場合は保湿成分入りを選ぶ
- 医師から処方されている洗浄剤がある場合はそちらを優先する
洗い方の注意点
- こすりすぎない(やわらかいタオル・ガーゼを使う)
- 皮膚の折れ目(腋・鼠径部・首の後ろ)は丁寧に洗う
- 感覚障害がある部位は温度・圧迫に気をつけながら洗う
洗った後のケア
- 水分を優しく押さえて拭き取る(こすらない)
- 乾燥しやすい部位には保湿剤を塗布する
- 皮膚の状態(発赤・傷・腫れ)を確認して記録する
頭皮・髪のケア
頭皮の皮脂も蓄積します。体だけでなく頭も定期的にシャンプーで洗うことが大切です。障害のある子どもの頭・髪の洗い方について詳しく読む
補助金制度について
スイトルボディは日常生活用具給付制度の対象品目です。障害者手帳・療育手帳・小児慢性特定疾病医療受給者証をお持ちのご家族は費用の最大9割以上が補助される場合があります。
よくある質問
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褥瘡が一度できてしまいました。入浴はしてもよいですか?
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褥瘡の状態・程度によります。入浴の可否・洗浄方法については必ず主治医・訪問看護師に確認してください。
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皮膚が弱くてシャワーの水圧でも赤くなります。
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皮膚が脆弱な場合はシャワーより低水圧のお湯を当てる方法が適しています。スイトルボディはノズルを肌から離して使えるため、直接的な水圧を調整できます。
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毎日入浴させるのは洗いすぎになりませんか?
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刺激の少ない洗浄剤を使い、こすりすぎない方法で行えば毎日の洗浄は推奨されます。ただし乾燥が強い場合は洗浄後の保湿ケアを丁寧に行ってください。
まずはご相談ください
「皮膚ケアのために毎日お湯で洗いたいが方法がわからない」——どんな入口でもご相談を受け付けています。
*本記事は2026年5月時点の情報に基づいています。皮膚トラブルの治療・褥瘡管理については必ずお子さんの主治医・訪問看護師の指示に従ってください。*

