スイトルボディの使い方とベッド上での全身清拭手順についてクリニック相談室で優しく案内するグレーカーディガン姿 of 女性アドバイザーの横長写真

「実際に使うとき、どんな手順で進めるの?」「一人でも本当に使いこなせる?」「子どもが嫌がらないか心配」——スイトルボディに興味を持ったご家族からよく聞かれる質問です。

このページでは、スイトルボディをベッドの上でどう使うか、準備から片付けまでの流れと、使いこなすためのコツをわかりやすく解説します。


スイトルボディの基本的な仕組み

スイトルボディは、ノズルの先端からお湯の噴射と汚水の吸引を同時に行う介護用洗身用具です。

噴射したお湯はその場で吸い込まれるため、ベッドのシーツや布団を濡らさずに体を洗えます。浴室への移動・浴槽への移乗が一切不要で、寝たままの状態で頭から足先まで全身を洗い流せます。

清拭(蒸しタオルで体を拭く)との違い:清拭は汚れを拭き取るケアですが、スイトルボディはお湯で洗い流すため、頭皮の皮脂・体臭・皮膚の汚れをより効果的に落とせます。「清拭から切り替えたら、体臭が格段に改善された」というご家族の声が多く届いています。

仕組みの詳細はスイトルボディとは?障害児の在宅入浴介助を変える介護用洗身用具を解説をご覧ください。


使用前の準備

準備するもの

用品 用途・補足
スイトルボディ本体 電源・ホースの接続を確認しておく
お湯 37〜40℃が目安。シャワーや蛇口から供給
ボディソープ 泡立てやすいポンプタイプが操作しやすい
シャンプー 洗髪を行う場合。無香料・低刺激タイプ推奨
タオル(2〜3枚) 拭き取り用・体の保温・部位の保護用
防水シーツ お子さんの下に敷く。初回は特に推奨
バスタオル 洗い終わり後の保温・着替え時に使用

スイトルボディはお湯をその場で吸引するため大量に濡れることはほとんどありませんが、初回は防水シーツを敷いておくと安心です。使い慣れてきたらなくても問題ない場合がほとんどです。

室温・環境を整える

  • 部屋を暖かくしておく(冬場は特に重要。浴室でないため室温が体感温度に直結する)
  • ドアや窓の隙間を閉めて風が当たらないようにする
  • ケアに使う道具を手の届く場所にまとめておく
  • ドライヤーを使う場合はあらかじめ準備しておく

お子さんの体勢を整える

ベッドを適切な高さに調整し、お子さんに仰向けまたは横向きに寝ていただきます。

体位のポイント

  • 仰向け(仰臥位):胸・お腹・腕・脚の前面を洗うときに適した体位
  • 横向き(側臥位):背中・お尻・脚の後面を洗うときに適した体位。クッションや丸めたタオルを背中に当てると安定する
  • 頭を洗う場合:枕の高さを調整し、頭が軽く後ろに傾いた状態にすると洗いやすい

体勢が不安定なお子さんは、サイドレールや体位変換クッションを活用してください。横向きが難しい場合は、仰向けのまま体を少し傾けるだけでも背中を洗える場合があります。


洗い方の手順(全身)

手順① お湯の温度確認・ノズルテスト

電源を入れ、ノズルからお湯が出ることを確認します。手首の内側にお湯を当てて温度を確認してください。熱すぎず、ぬるすぎない37〜40℃が目安です。

初めてのお子さんには足首など、敏感でない部位にまずお湯を当てて反応を確認してから始めることをお勧めします。「温かいよ」と声をかけながら進めると安心感が生まれます。

手順② 衣類を外す・保温する

洗う部位ごとに少しずつ衣類を外し、洗わない部位はタオルで覆って保温します。体全体を一度に露出させると体が冷えやすくなります。「これから背中洗うよ」と声かけしてから動かすようにしてください。

手順③ 体幹・四肢(前面)を洗う

医療的ケアがない部位(胸・お腹・腕・脚の前面)から始めると安心です。

ノズルの操作のコツ

  • 肌から5〜10cm程度離して当てる(近すぎると圧力が強くなる)
  • ゆっくりと一方向に動かしながらお湯を当てる(行ったり来たりより流れに沿って)
  • 皮膚のしわ・関節部分は特に丁寧に当てる

ボディソープを使う場合は、泡立てたものを手またはガーゼで体に塗り広げてから、ノズルで洗い流します。泡がしっかり落ちているかを確認しながら進めてください。

手順④ 背中・お尻を洗う(横向き)

横向きの体勢に変えて背中・お尻を洗います。

  • 首から腰にかけて、ノズルをゆっくり動かす
  • お尻のしわ・皮膚が重なる部分は特に念入りに(褥瘡予防の観点からも重要)
  • 一人での介助でも、お子さんが横向きに安定している状態であれば無理なく洗える

背中を洗い終えたら仰向けに戻し、バスタオルで背面を拭いてから前面の続きに進みます。

手順⑤ 陰部・臀部を洗う

プライバシーへの配慮を忘れずに行います。思春期以降のお子さんは特に丁寧な声かけを行い、できる部分は本人に任せる工夫も検討してください。

皮膚が重なり合う部分や粘膜付近は刺激が強いノズルを直接当てず、ノズルをやや離した位置からお湯を当てるか、手で優しくすすぐ方法に切り替えてください。

手順⑥ 頭・髪を洗う

枕の位置を調整し、頭を軽く支えながらシャンプーを使って洗います。

洗髪の手順

  1. 頭の下にフェイスタオルを2〜3枚重ねて敷く
  2. ぬるめのお湯(38〜39℃)で後頭部から順に髪を濡らす
  3. シャンプーを手に泡立て、頭皮を優しくマッサージするように馴染ませる
  4. ノズルで泡をすすぎながら吸引する(前髪→側頭部→後頭部の順が洗いやすい)
  5. すすぎ残しがないか指で確認する

目や耳に水が入らないよう角度に注意してください。心配な場合はタオルで顔の周囲を保護しながら行います。

手順⑦ 医療的ケア部位の扱い

気管切開・胃ろうストーマ・留置カテーテルなどがある部位は、ノズルを当てずタオルで拭く清拭対応にしてください。スイトルボディはノズルを手元で動かせるため、こうした部位を避けながら周辺をしっかり洗えます。

部位別の注意事項

  • 気管切開:気管切開口の周囲はタオルで保護し、お湯が入らないよう注意する
  • 胃ろう:胃ろう部位は防水テープで保護するか、タオルで覆いながら周囲を洗う
  • カテーテル類:チューブが引っ張られないよう位置を確認しながら進める

使用前に必ず主治医・訪問看護師にどの部位を洗えるか確認してください。初回は訪問看護師の立ち会いのもとで使用することを強くお勧めします。

手順⑧ 仕上げのすすぎ・拭き取り

全体を洗い終えたら、石けん・シャンプーが残っていないかを確認しながら最後にすすぎます。特に首・わきの下・股の付け根・足の指の間はすすぎ残しが起こりやすい箇所です。

タオルで水分を拭き取り、体が冷える前に着替えを済ませてください。洗髪した場合はドライヤーで乾かします。


片付け方

  1. ノズルを外し、お湯(またはぬるま湯)で内部をすすぐ
  2. タンクに残ったお湯を捨て、空の状態で数秒作動させて内部の水を切る
  3. ノズル・本体を乾燥させる(カビ・細菌の繁殖を防ぐため)
  4. 次回使用時のために収納場所を決め、取り出しやすい場所に保管する

慣れてくると、片付け含めて10〜15分程度で完了するご家族が多いです。


はじめてのお子さんへの慣らし方

スイトルボディを初めて使う際、お子さんが音や感触に戸惑うことがあります。段階的に慣らしていくことで、スムーズに使えるようになります。

ステップ1:音に慣れる 電源を入れた状態で、まずお子さんの手元や足元など敏感でない部位にお湯を当ててみます。「お湯が出るよ」と声をかけながら、反応を確認します。

ステップ2:部分的に試す 初回は足だけ・腕だけなど、一部分のみ試してみます。問題なければ少しずつ範囲を広げていきます。

ステップ3:手順を固定する 毎回同じ順番でケアを行うことで「次に何をされるか」の見通しが生まれ、安心感につながります。2〜3回繰り返すことで多くのお子さんが慣れていきます。

感覚過敏のあるお子さんは、作業療法士に「感覚への慣らし方」を相談することも有効です。


よくある疑問

一人での介助は本当にできますか?

お子さんがベッドに横になった状態で使えるため、体位が安定しています。介助者が立った姿勢でノズルを操作できるので腰への負担が少なく、一人での介助に活用されているご家庭が多くあります。浴槽介助では二人必要だったご家庭が一人でできるようになったケースもあります。

医療的ケアがある部位以外は普通に洗えますか?

はい。ノズルはピンポイントで使えるため、医療的ケアがある部位を避けながら体幹・四肢・背中・頭を洗うことができます。ただし必ず主治医・訪問看護師の指示のもとで使用してください。

訪問入浴のない日も毎日使えますか?

はい。スイトルボディは毎日のベッドサイドケアとして活用できます。訪問入浴のない日にも毎日お湯で体を洗えるようになったというご家族の声が多く届いています。

準備・片付けにどのくらい時間がかかりますか?

慣れるまでは準備〜ケア〜片付けで30〜45分程度かかるご家族もいますが、使い慣れると全体で20〜30分程度に短縮されるケースが多いです。

子どもが怖がって嫌がります。どうすればよいですか?

初回は音や水の感触に戸惑うお子さんもいます。上記の「慣らし方ステップ」を参考に、まず足だけ・短時間だけなど小さな範囲から試してみてください。嫌がる原因が温度なのか、音なのか、触れ方なのかを観察することで、個別の対処ができます。

シーツが濡れてしまいます。

ノズルを体から離しすぎると周囲にお湯が飛びやすくなります。5〜10cm程度の距離を保ち、ゆっくり動かすことで飛散を最小限にできます。初回は防水シーツを敷いておくと安心です。

補助金制度について

スイトルボディは日常生活用具給付制度の対象品目です。身体障害者手帳・療育手帳・小児慢性特定疾病医療受給者証をお持ちのご家族は、費用の最大9割以上が補助される場合があります。

スイトルボディを補助金で購入する方法を詳しく見る


実際に試してから検討したい方へ

東京・大阪に体験会場を用意しています。「使い方を実際に見てみたい」「お子さんに合うか試したい」——実際に操作を体験することで、購入後のイメージが大きく変わったというご家族が多くいます。

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本記事は2026年5月時点の情報に基づいています。医療的ケアのある部位への使用については、必ず主治医・訪問看護師の指示に従ってください。