「お風呂の時間になると、上の子がテレビの前でひとりになってしまう」「きょうだい児がなぜか最近ぐずることが増えた」「下の子のお風呂を後回しにしすぎて寝る時間が遅くなっている」——障害のある子どもの入浴介助に時間がかかることで、家庭全体のリズムが崩れてしまうことがあります。

このページでは、きょうだい児(障害のある子どもと同じ家庭で育つ兄弟姉妹)への影響と、入浴介助の時間をめぐる家族全体の工夫について解説します。


きょうだい児が受ける影響

親の時間・注目が集中しやすい

障害のある子どもの入浴介助は、安全管理・体位変換・医療的ケアが伴うため、30分〜1時間以上かかることも珍しくありません。この間、きょうだい児は待ち時間を過ごすことになります。

毎日の繰り返しの中で、きょうだい児は「自分よりあの子が優先される」という感覚を無意識に持ちやすくなります。

きょうだい児に現れやすいサイン

きょうだい児が抱える気持ちは、言葉よりも行動に出やすいことがあります。

  • ぐずり・癇癪が増えた(特に入浴介助の時間帯)
  • 「自分も障害があったらよかった」という発言
  • 過度に「いい子」になろうとする
  • 学校や外での様子と家での様子が大きく違う
  • 障害のある兄弟に対する怒り・嫉妬を表現するようになった

これらは、きょうだい児が感情をうまく処理できているサインでもあります。感情を表現できる状態であることは、決して悪いことではありません。

小さなきょうだい児の場合

まだ言語化が難しい幼児のきょうだい児は、親が入浴介助中に危険なことをしたり、泣き続けたりすることがあります。安全管理の観点からも、入浴介助中のきょうだい児の状況には注意が必要です。


入浴時間帯の工夫

きょうだい児の入浴を先に済ませる

障害のある子どもの入浴介助の前に、きょうだい児のお風呂を済ませるルーティンにすると、きょうだい児を待たせる時間が短くなります。「あなたのお風呂が先だよ」という言葉で、きょうだい児が後回しにされていると感じにくくなります。

きょうだい児の「待ち時間」を設計する

入浴介助中のきょうだい児の過ごし方を事前に決めておくことで、親の不安・きょうだい児のぐずりの両方を減らせます。

  • 好きな動画・音楽を入浴介助の時間だけ許可する「特別ルール」を作る
  • お気に入りのおもちゃ・ぬいぐるみと一緒に待つ場所を決める
  • 親が見える場所で過ごせるように、入浴介助の場所・導線を工夫する

完全に安全に待てる状況が作れる場合は、きょうだい児に「〇〇が終わったらすぐ来るね」と声をかけてから入浴介助を開始することで、安心感を与えられます。

入浴介助の時間を短縮する

入浴介助にかかる時間を短縮することで、きょうだい児が待つ時間も短くなります。スイトルボディを使ったベッドサイドケアは、浴室への移乗・体位変換・浴槽への出入りといった手間を省けるため、介助時間の短縮につながります。

「浴槽介助で1時間かかっていたものが、スイトルボディで30分になった」というご家族もいます。

スイトルボディの使い方を詳しく読む


きょうだい児の気持ちに向き合う

「大変なこと」を正直に話す

年齢に応じた言葉で、きょうだい児に状況を説明することが大切です。「〇〇ちゃんはお体のことで、お風呂に時間がかかるんだ。だからあなたに待ってもらっていること、ありがとう」という言葉は、きょうだい児が「自分は理解されている」と感じる助けになります。

「弟(妹・兄・姉)がかわいそうだから我慢しなさい」という言葉は、きょうだい児の感情を否定することになります。感情を持つことは当然であり、否定しないことが重要です。

きょうだい児だけの時間を作る

入浴介助とは別の時間帯に、きょうだい児と1対1で過ごす時間を意識的に確保することで、「自分も大切にされている」という実感を育てます。

  • 「今日は〇〇とふたりでお散歩しようね」
  • 寝る前の10分間を読み聞かせの時間にする
  • 送迎の車の中をきょうだい児との話タイムにする

毎日でなくても、定期的に設けることで関係が安定します。

きょうだい児が手伝える役割を作る

強制でなく、きょうだい児が「自分も役に立てている」と感じられる小さな役割を作ることが、家族の一員としての肯定感を育てます。

  • タオルを持ってきてもらう
  • 着替えを取ってきてもらう
  • 「ありがとう、助かった」と必ず伝える

入浴介助の「お手伝い」ではなく、あくまでできる範囲の小さな関与にとどめ、負担にならないようにすることが重要です。


配偶者・祖父母との役割分担

入浴介助中のきょうだい児のケアを、配偶者や祖父母が担うことができると、家族全体の負担が大幅に軽減されます。

「入浴介助をする人」と「きょうだい児を見る人」の役割を明確に分けることで、どちらも安全に行えます。

配偶者や祖父母が障害のある子どもの入浴介助にまだ慣れていない場合は、きょうだい児との関わりを担当してもらうところから始めると、負担なく家族全体の介護体制を作るきっかけになります。

家族への入浴介助引き継ぎガイドを読む


きょうだい児支援の社会的リソース

きょうだい児への支援は、近年少しずつ社会的に広がっています。

  • きょうだい会: 障害のある子どもを持つ家族のきょうだい児が集まるグループ。「自分だけじゃない」という安心感を得られる場として有効です
  • 相談支援専門員への相談: きょうだい児への影響を含めた家族全体の状況を相談できます
  • 学校・保育園の先生への情報共有: 家庭の状況を共有することで、学校での変化に早めに気づいてもらいやすくなります

介護者自身のメンタルヘルス

「きょうだい児にも申し訳ない」「どちらも十分にケアできていない」という罪悪感を抱える保護者は多くいます。しかし、完璧な分配は不可能であり、罪悪感を抱え続けることは介護者自身のメンタルヘルスを悪化させます。

「できていること」に目を向け、定期的に休息を取る体制を作ることが、家族全体にとって最善です。

介護者のメンタルヘルスについて詳しく読む


よくある質問

きょうだい児が「なんであの子ばっかり」と言います。どう答えればよいですか?

「そう思う気持ち、わかるよ」とまず受け止めることが大切です。その上で「あなたのことも大好きだよ」「あなたのことも大切だよ」と伝えてください。感情を否定せず、両方の存在を等しく大切にしているという言葉が重要です。

きょうだい児が入浴介助を手伝いたがっています。どこまでさせてよいですか?

年齢・発達段階に応じた小さな役割(タオルを持ってくるなど)は問題ありません。医療的ケアが伴う部分への関与は避けてください。また、「手伝わなければいけない」というプレッシャーにならないよう、あくまで本人の意思を尊重してください。

きょうだい児が暗い顔をしていることが多くなりました。相談先はありますか?

相談支援専門員・学校のスクールカウンセラー・かかりつけ小児科医に相談できます。「きょうだい児として何か感じていることがある様子で」と話すと、専門的な視点でサポートを提案してもらいやすくなります。

入浴介助の時間を短くする方法を教えてください。

スイトルボディを使ったベッドサイドケアへの移行、手順の効率化(準備物をあらかじめ並べておく・介助の順番を固定する)、配偶者や祖父母への一部引き継ぎなどが有効です。


まずはご相談ください

「入浴介助の時間を短縮して、きょうだい児との時間を作りたい」——ご家族の状況をお聞きして、スイトルボディを使った最適なケア方法をご案内します。

資料請求・お問い合わせはこちら →


*本記事は2026年5月時点の情報に基づいています。きょうだい児への支援については、相談支援専門員・学校・かかりつけ医にご相談ください。*