「訪問看護を使いたいが、医療費の自己負担が心配」「自立支援医療を申請したほうがいいと言われたが、よくわからない」——障害のある子どもの入浴介助を在宅でサポートしてもらうために、制度をうまく使うことが重要です。

このページでは、自立支援医療制度の概要・種類・申請方法を解説し、訪問看護を通じた入浴支援との関わりをわかりやすく説明します。


自立支援医療制度とは

自立支援医療制度は、障害のある方が必要な医療を継続しやすいよう、医療費の自己負担を通常の3割から1割に軽減する制度です(所得に応じてさらに負担上限額が設定されます)。

障害児・者に関わる自立支援医療には3種類あります。

種類対象主な対象医療
**育成医療**18歳未満の身体障害のある児童手術・リハビリ・訪問看護など
**更生医療**18歳以上の身体障害者人工透析・装具・手術など
**精神通院医療**精神疾患で継続的に通院が必要な方外来診療・薬代など

障害のある子どもの入浴介助に特に関係するのは「育成医療」です。


育成医療の対象となる医療的ケア

育成医療の対象は「身体に障害のある18歳未満の児童で、手術などの治療によって確実な治療効果が期待できる場合」とされています。

訪問看護は、以下のような状態で「育成医療の対象」として認められることがあります(都道府県・市区町村により異なります)。

  • 気管切開・人工呼吸器管理が必要な状態
  • 胃ろう・経管栄養が必要な状態
  • 先天性心疾患・腎疾患などで医療管理が必要な状態

ポイント:育成医療を利用することで、訪問看護の医療費(1回あたりの負担)が軽減されます。訪問看護師と一緒に行う入浴介助も、訪問看護の一部として医療費の対象になります。


所得に応じた自己負担上限額

自立支援医療では、所得に応じて月あたりの自己負担上限額が設定されており、上限を超えた分は無料になります。

世帯の所得区分自己負担上限額(月額)
生活保護受給世帯0円
低所得1(市町村民税非課税・本人収入80万円以下)2,500円
低所得2(市町村民税非課税)5,000円
中間所得1(市町村民税課税・33万円未満)5,000円(医療保険の高額療養費等で対応)
中間所得2(市町村民税33万円以上)10,000円
一定所得以上上限なし(対象外)

申請の流れ

ステップ1:主治医に相談する

「育成医療を利用したい」と伝え、「意見書」を作成してもらいます。

ステップ2:市区町村の窓口に申請する

市区町村(障害福祉担当課)の窓口で申請書類を提出します。

必要書類の例

  • 申請書
  • 主治医の意見書
  • 健康保険証のコピー
  • 個人番号(マイナンバー)が確認できる書類
  • 所得状況が確認できる書類(市民税課税証明書など)

ステップ3:認定・受給者証の交付

審査が通ると「自立支援医療受給者証」が交付されます。指定自立支援医療機関(訪問看護ステーションを含む)でこれを提示することで、軽減された自己負担額で利用できます。

ステップ4:更新(毎年)

受給者証は1年ごとに更新が必要です。更新時期を忘れないようにカレンダーに記入しておきましょう。


自立支援医療と他の制度との関係

自立支援医療は、他の医療費補助制度と組み合わせることができます。

  • 小児慢性特定疾患医療費助成:特定疾患の診断がある場合、別途申請することで医療費がさらに軽減されます
  • 重度心身障害者医療費助成(重心医療):都道府県独自の制度で、入院・外来の医療費がほぼ無料になる場合があります
  • 高額療養費制度:月の医療費が一定額を超えた場合の還付制度(健康保険)

複数の制度が重複する場合は、どの制度が優先されるかを市区町村窓口に確認しましょう。


入浴サービスに使える別の制度も忘れずに

訪問看護以外の入浴支援も制度の対象になります。

  • 居宅介護(障害者総合支援法):ヘルパーによる入浴介助を利用できます
  • 訪問入浴サービス(介護保険または障害福祉):専用の浴槽車で自宅を訪問するサービス
  • 短期入所(ショートステイ):施設で入浴を含むケアを受けられるレスパイト

これらのサービスを組み合わせることで、家族の負担を分散できます。


よくある質問

育成医療の申請にはどのくらい時間がかかりますか?

市区町村によって異なりますが、通常1〜2か月程度かかります。申請後も審査中は訪問看護を継続して利用できるため、まず早めに申請することをお勧めします。

精神的な障害(自閉症・てんかんなど)では育成医療は使えませんか?

育成医療は「身体障害」が対象のため、精神・知的障害のみの場合は育成医療の対象外になることがあります。ただし、てんかんに伴う身体的状態(重症発作による身体障害)がある場合は対象になる場合もあるため、主治医に相談してください。

毎年更新が面倒です。何か方法はありますか?

更新時期をスマートフォンのカレンダーに登録しておくと忘れにくくなります。また、相談支援専門員に更新時期の管理を手伝ってもらうことも可能です。


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*本記事は2026年5月時点の情報に基づいています。制度の詳細・対象範囲は自治体により異なるため、お住まいの市区町村にご確認ください。*