「毎日の入浴介助をきちんと記録した方がよいと言われたが、何を書けばよいかわからない」「訪問看護師と情報を共有したいが、どう伝えればよいか」——障害のある子どもの在宅介護では、入浴記録が医療チームとの連携ツールとして重要な役割を持ちます。

このページでは、記録すべき項目・記録を共有する方法・すぐに使えるテンプレートを紹介します。


なぜ入浴記録が必要か

皮膚トラブルの早期発見

障害のある子どもは皮膚トラブル(褥瘡・おむつかぶれ・感染)が起きやすく、発見が遅れると重症化することがあります。入浴ごとに観察内容を記録することで、「いつから」「どの部位に」「どんな変化が起きたか」が明確になります。

医療チームとの情報共有

訪問看護師・主治医は毎日の入浴の様子を見ることができません。記録があることで、「昨日から背中に発赤がある」「最近毎回痰が多い」といった変化を正確に伝えられます。

引き継ぎの基盤

配偶者・祖父母・ヘルパーへの引き継ぎの際、記録があることで「いつもどんなケアをしているか」を客観的に伝えられます。

入浴介助の引き継ぎガイドを詳しく読む


記録すべき基本項目

必須項目

項目記録の内容
日付・時間入浴(ケア)を行った日時
実施者誰が行ったか(母・訪問看護師・ヘルパーなど)
方法浴槽入浴・シャワー・スイトルボディ(ベッドサイドケア)・清拭
全身の皮膚状態発赤・皮膚トラブルの有無・部位・変化
お子さんの様子機嫌・反応・嫌がりの有無
特記事項いつもと違った点・気になったこと

医療的ケアがある場合の追加項目

ケア記録する内容
気管切開防水カバーの装着確認・ストーマ周囲の状態・痰の性状
胃ろう造設部位の状態(発赤・滲出液・肉芽)・処置内容
吸引入浴前後の吸引回数・痰の量・性状
おむつおむつ部位の状態・おむつかぶれの有無

観察ポイントの具体的な書き方

「記録の書き方がわからない」という方のために、観察ポイントと記録の例を示します。

皮膚の発赤の記録

❌ 「少し赤い」

✅ 「仙骨部(お尻の中央・骨の上)に直径約2cmの発赤あり。押すと色が薄くなる(一過性発赤)。昨日はなかった。」

観察のポイント:部位・大きさ・色の変化(押すと薄くなるか)・いつからか・変化の推移

痰の変化の記録

❌ 「痰が多かった」

✅ 「入浴前・入浴中・入浴後の3回吸引。白色・粘稠度は普段より高め。量は通常より多い印象。」

観察のポイント:量・色(白・黄・緑・血混じり)・粘稠度(さらさら・粘い)・回数


記録を続けるためのコツ

「完璧に書こうとしない」

毎回詳細な記録を書こうとすると継続が難しくなります。「異常なし」の日は一言でよく、気になった日だけ詳しく書くスタイルでも十分です。

専用ノートを用意する

入浴介助用品の近く(スイトルボディの収納場所など)に専用のノートを置くと、ケアの直後すぐに記録できます。

スマートフォンで写真を撮る

皮膚トラブル・医療的ケア部位の状態変化は、言葉で説明するより写真が正確に伝わります。訪問看護師への報告・主治医への相談時に活用できます。


入浴記録テンプレート(コピーして使用可)


【入浴記録】

日付:   月  日( ) 時刻:   時〜   時
実施者:
ケア方法:□浴槽 □シャワー □スイトルボディ □清拭 □その他

■全身の皮膚状態
□異常なし
□要観察(部位:      内容:        )
□訪問看護師に報告済み

■医療的ケア部位
・気管切開:□問題なし □要記録(        )
・胃ろう:□問題なし □要記録(        )
・吸引:回数( )回 痰の性状:

■お子さんの様子
□いつも通り □機嫌が悪い □嫌がりあり
□体温(   ℃)

■特記事項・気になったこと

記録の共有方法

訪問看護師との共有

多くの訪問看護ステーションでは「在宅ケア記録ノート」を用意しています。ない場合は上記テンプレートを印刷して使用してください。訪問看護師が来た際に見せられる場所に保管します。

主治医への報告

受診時に記録を持参することで、「この2週間でこんな変化がありました」と具体的に伝えられます。写真があればさらに正確です。


よくある質問

毎日記録しなければいけませんか?

理想は毎日ですが、「気になった日だけ詳しく書く」でも十分です。継続することが最も重要です。

記録アプリはありますか?

一般的なメモアプリ・スプレッドシートで代用できます。写真と一緒に記録できるアプリ(Google Keep・Notionなど)も使いやすいです。在宅ケア専用アプリとしては医療連携ツールもありますが、訪問看護師と共有方法を相談してから選んでください。

記録を書く時間がありません。

ケア中に気になったことをひとことメモするだけでも記録になります。「今日は背中が赤かった」この一言でも十分です。完璧な記録より続けることが大切です。


まずはご相談ください

スイトルボディを使ったベッドサイドケアの記録・手順書作成についてもご相談いただけます。

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*本記事は2026年5月時点の情報に基づいています。記録の方法・共有のしかたは担当の訪問看護師と相談しながら決めることをお勧めします。*