入浴サービスの比較と選び方についてリハビリ相談室で説明する白ブラウス姿 of 女性アドバイザーの横長写真

障害のある子どもの入浴方法には複数の選択肢があります。「訪問入浴サービスを使っているが、もっとよい方法があるか知りたい」「デイサービスで入浴しているが、ない日の対応に困っている」「スイトルボディが気になっているが、他との違いがわからない」——このページでは代表的な選択肢を整理して比較します。

大切なのは「どれか一つを選ぶ」ではなく、複数を組み合わせて毎日の清潔ケアを実現することです。


入浴サービスの全体像

障害のある子どもの入浴を支える主な選択肢は以下の4つです。

訪問入浴サービス デイサービスでの入浴 居宅介護ヘルパー スイトルボディ
場所 自宅(専用浴槽持ち込み) 通所施設 自宅(浴室) 自宅(ベッドサイド)
主な担い手 専門スタッフ(看護師含む) 施設スタッフ ヘルパー 家族
利用頻度 週2〜3回が上限 通所日のみ 週数回(支給量次第) 毎日
浴槽使用 ○(自宅浴室) ✕(お湯で全身を洗う)
費用 制度利用で軽減可 通所費用に含む 制度利用で軽減可 補助金で最大9割以上補助
医療的ケア対応 ○(看護師同行型あり) △(事業所による) △(ヘルパーによる) ○(部位を避けて使用)
毎日使えるか △(回数制限あり) △(通所日のみ) △(支給量次第)
浴槽への移乗 必要 必要 必要 不要
家族の介助負担 なし なし なし あり(家族が操作)

訪問入浴サービスの詳細

サービスの内容

専門スタッフ(看護師1名+介護職員2名など)が専用の浴槽を自宅に持ち込み、全身浴を行うサービスです。家族が介助しなくてよいため、介助者の体への負担をゼロにできます。

メリット

  • 本格的な浴槽入浴ができる(温まり・リラックス効果が高い)
  • 家族が介助しなくてよい → 腰への負担ゼロ
  • 医療型は看護師が同行するため、気管切開・胃ろう・在宅酸素など医療的ケアのあるお子さんにも対応できる
  • 自宅浴室の環境に左右されない(浴槽持ち込みのため)

デメリット・課題

  • 週2〜3回が利用上限となるケースが多く、毎日は使えない
  • 日程調整が必要(訪問できない日・曜日がある)
  • 1回の利用に時間がかかる(準備・入浴・後片付け含め1〜2時間)
  • 訪問入浴のない日の清潔ケアは別途確保が必要

費用の目安

障害福祉サービス「重度訪問介護」「居宅介護(入浴介助)」として利用する場合、自己負担は1割(所得に応じて上限あり)。1回あたりの実費は事業所・地域により異なりますが、制度を利用することで大幅に軽減されます。

訪問入浴サービスの詳しい解説はこちら


デイサービスでの入浴の詳細

サービスの内容

放課後等デイサービス・生活介護などの通所施設で入浴を受けられる場合があります。通所しながら入浴もできるため、家族の負担軽減になります。

メリット

  • 通所日に合わせて入浴できるため、追加のスケジュール調整が不要
  • 施設スタッフが対応するため家族が介助しなくてよい
  • 通所サービスの費用に含まれるケースが多く、別途費用が発生しない場合がある

デメリット・課題

  • 通所日しか利用できない(週2〜3日程度)
  • 入浴対応していない事業所もある(全事業所が対応しているわけではない)
  • 医療的ケアへの対応は事業所によって大きく異なる
  • 長期休暇中はデイの利用可能日数が増えず、在宅での対応が必要になる

デイサービスでの入浴について詳しく読む


居宅介護ヘルパーによる入浴介助の詳細

サービスの内容

障害福祉サービス「居宅介護」のヘルパーが自宅を訪問し、浴室での入浴介助を行います。

メリット

  • 自宅の浴室を使うため、お子さんが慣れた環境で入浴できる
  • 訪問入浴より費用が抑えられるケースがある
  • 入浴以外のケア(着替え・保清など)も合わせて依頼できる

デメリット・課題

  • ヘルパーの技術・経験によって介助の質が異なる
  • 医療的ケアには原則対応できない(ヘルパーは医療行為不可)
  • 気管切開・胃ろうがある場合は看護師資格のある訪問看護師の立ち会いが必要
  • 支給量(利用できる時間)に上限がある

居宅介護ヘルパーについて詳しく読む


スイトルボディの詳細

サービスの内容

ノズルからお湯を噴射しながら汚水を同時に吸引し、ベッドの上で全身をお湯で洗える介護用洗身用具です。訪問サービスを待たず、毎日家族が使えるのが最大の特長です。

メリット

  • 毎日使える → 訪問サービスのない日も清潔を保てる
  • 浴槽移乗が不要 → 転落リスクなし・介助者の腰への負担ゼロ
  • 医療的ケア部位を避けながら全身を洗える → 気管切開・胃ろうがあっても使える
  • 補助金で費用の最大9割以上が補助される場合がある → 初期費用を大幅に抑えられる
  • 一人介助で対応できるケースが多い → 人手を確保しなくてよい
  • ベッドに横になった安定した体位でケアできる

デメリット・課題

  • 家族が介助を担う(スタッフが来るわけではない)
  • 浴槽入浴とは洗浄方法・感触が異なる
  • 使い方の習得に最初は少し時間がかかる(訪問看護師と一緒に確認することを推奨)

費用の目安

本体価格は補助金(日常生活用具給付制度)を利用することで費用の最大9割以上が補助される場合があります。一度購入すれば追加の利用料は発生しないため、毎月費用がかかる訪問入浴と比較して、長期的なコストを大幅に抑えられます。

スイトルボディの仕組みと特長を詳しく見る


状況別おすすめ選択フロー

「介助者の体への負担をなくしたい」

訪問入浴サービスまたはデイサービス(家族が介助しなくてよい)+スイトルボディで在宅日をカバー

「毎日清潔を保ちたい」

スイトルボディが中心。訪問入浴・デイと組み合わせることで週を通じて安定したケアが可能

「医療的ケアがあって入浴が怖い」

→ 訪問看護師が立ち会える体制を先に整え、スイトルボディから始めて慣れていく

「費用を抑えたい」

スイトルボディ(補助金で費用の大半をカバー)を中心に、訪問サービスの利用日数を最適化

「子どもがお湯に浸かることを楽しみにしている」

訪問入浴またはデイでの浴槽入浴を確保しつつ、それ以外の日はスイトルボディで清潔を維持


組み合わせ活用例

組み合わせ例①:訪問入浴+スイトルボディ

時期・状況 入浴方法
訪問入浴のある日
(週2〜3回)
専門スタッフによる浴槽入浴
訪問のない日 スイトルボディでベッドサイドケア

訪問入浴がない日の清拭だけという課題を解消し、毎日お湯で清潔を保てます。

組み合わせ例②:デイサービス+スイトルボディ

時期・状況 入浴方法
デイサービスの日
(週2〜3回)
施設での入浴
デイのない日・長期休暇 スイトルボディでベッドサイドケア

夏休みなど長期休暇中の入浴機会の減少もカバーできます。

組み合わせ例③:訪問看護立ち会い+スイトルボディ

状況 入浴方法・対応
訪問看護のある日 看護師立ち会いのもとシャワー浴・浴槽入浴
訪問看護のない日 スイトルボディで家族が対応

医療的ケアのあるお子さんに多い組み合わせです。「看護師がいない日も体を洗ってあげられる」という安心感が生まれます。

組み合わせ例④:3本立て体制

曜日 入浴方法・ケア内容
月・水
(デイ)
施設で浴槽入浴
火・木
(スイトルボディ)
ベッドサイドケア

(訪問入浴)
自宅で浴槽入浴

(スイトルボディ)
ベッドサイドケア

週を通じて毎日清潔を保ちながら、週2回は浴槽入浴を確保できる体制です。


費用の比較

サービス名 初期費用 利用のたびにかかる費用 長期コスト
訪問入浴サービス なし 毎回発生
(制度で軽減可)
積み上がる
デイサービス なし 通所費用に含む場合が多い 積み上がる
居宅介護ヘルパー なし 毎回発生
(制度で軽減可)
積み上がる
スイトルボディ あり
(補助金で9割以上補助の場合も)
ほぼなし
(消耗品のみ)
長期で有利

スイトルボディは補助金を活用すれば初期費用の大半をカバーでき、購入後の毎月の費用がほとんどかかりません。訪問入浴を週3回利用するケースと比較すると、1〜2年で逆転するケースが多くあります。

スイトルボディを補助金で購入する方法を詳しく見る


よくある質問

訪問入浴を使っていますが、追加でスイトルボディも導入できますか?

はい、併用できます。訪問入浴のない日の清潔ケアとしてスイトルボディを活用するご家族が多いです。補助金は両方の制度を別々に申請することが可能です(スイトルボディは日常生活用具給付制度)。

どれか一つ選ぶとしたら何がおすすめですか?

「毎日自宅でケアしたい」「介助者の腰への負担をなくしたい」「補助金でコストを抑えたい」という場合はスイトルボディが特に評価されています。ただし「家族が介助しなくてよい」を最優先にする場合は訪問入浴・デイサービスを中心に考えることをお勧めします。まずはご相談ください。

訪問入浴サービスの費用が高くて困っています。

訪問入浴は障害福祉サービスの給付対象で自己負担は軽減されますが、それでも毎月の費用は積み上がります。スイトルボディは補助金で購入後の維持費がほぼかからないため、訪問入浴の利用回数を減らしてスイトルボディと組み合わせることで、トータルコストを下げているご家族が多くいます。

医療的ケアがある子どもに最も向いているのはどれですか?

医療的ケアのある場合は、訪問看護師の立ち会いのもとでのシャワー浴・入浴と、スイトルボディの組み合わせが多く選ばれています。訪問看護師が来ない日でも、スイトルボディであれば気管切開・胃ろう部位を避けながら体を洗えます。

デイサービスへの通所を増やすより、スイトルボディを買った方がよいですか?

一概にどちらが良いとは言えませんが、デイサービスの通所日数増加は受け入れ枠・費用の問題があります。一方スイトルボディは一度購入すれば毎日使えます。「デイには通いつつ、在宅日の清潔ケアを確保したい」という場合はスイトルボディの追加導入が有効です。

まずはご相談ください

「うちの子に合う方法を知りたい」「スイトルボディを試してから検討したい」——どんなご相談でも対応しています。

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本記事は2026年5月時点の情報に基づいています。各サービスの利用条件・費用は自治体・事業所によって異なります。最新情報は各窓口にご確認ください。