水頭症のある子どもの入浴で最も多い心配は「シャントに水圧の影響が出ないか」「入浴中に頭痛や嘔吐が起きたらどうするか」という点です。シャントが入っていると入浴を過度に制限しているご家族もいますが、多くの場合は主治医の指示のもとで安全に入浴できます。

このページでは、水頭症・シャント管理の基本と入浴時の注意点・安全に体を清潔に保つ方法を解説します。

※ シャントの種類・設定・状態によって対応が異なります。入浴可否・方法については必ず主治医の指示に従ってください。


水頭症とシャントの基本

水頭症は脳脊髄液が脳内に過剰に蓄積することで頭蓋内圧が上昇する状態です。多くのお子さんは脳室腹腔(VP)シャントまたは脳室心房(VA)シャントを用いて脳脊髄液を体の別の部位に排出する処置を受けています。

シャントは体内に埋め込まれており、外から水が触れることでシャント自体が壊れることはありません。入浴の可否はシャントの有無ではなく、シャントの設定(圧調整式か固定式か)・お子さんの現在の状態によって決まります。


入浴時に注意すること

水圧・体位の影響

浴槽に深く浸かると水圧による頭部への影響が生じる可能性があります。主治医に浴槽入浴の可否と浸かる深さの目安を確認してください。多くの場合は肩まで浸からない半身浴程度であれば問題ないとされていますが、シャントの種類・設定によります。

お湯の温度

高温のお湯は頭蓋内圧を一時的に上昇させる可能性があります。ぬるめ(37〜38℃)を基本とし、長時間の入浴は避けてください。

頭部の安定

水頭症により頭囲が大きい乳幼児は、頭部が重く首が不安定なことがあります。入浴中は頭部をしっかり支えながら介助してください。

シャント不全のサインを見逃さない

入浴中・入浴後に以下の症状が出た場合はシャント不全の可能性があります。すぐに入浴を中止し、主治医・救急に連絡してください。

  • 激しい頭痛・嘔吐
  • 意識の変化・ぐったりする
  • けいれん

シャントがあっても入浴できる場合が多い

シャントが入っていても多くのお子さんが通常の入浴を行っています。「シャントがあるから入浴できない」と思い込んで清拭だけにしているご家族は、まず主治医に確認してみてください。


水頭症と他の障害が重複している場合

水頭症は二分脊椎・脳性麻痺・CHARGE症候群などの疾患と重複することが多く、入浴介助の課題が複合的になります。

二分脊椎のある子どもの入浴について詳しく読む

浴槽への移乗が困難になってきた場合は、ベッドの上で全身をお湯で洗えるスイトルボディが選択肢になります。シャントが入っていても、浴槽を使わないため水圧の影響を避けながらお湯でのケアができます。

スイトルボディの仕組みと特長を詳しく見る


医療的ケアがある場合の入浴全般

気管切開・胃ろうなど他の医療的ケアと水頭症が重複している場合の入浴については医療的ケアがあるお子さんの入浴について詳しく読むもあわせてご覧ください。


補助金制度について

スイトルボディは日常生活用具給付制度の対象品目です。身体障害者手帳・療育手帳・小児慢性特定疾病医療受給者証をお持ちのご家族は費用の最大9割以上が補助される場合があります。

補助金での購入手順を詳しく見る


よくある質問

シャント手術後はいつから入浴できますか?

術後の入浴再開時期は主治医の指示によります。一般的には術後の傷が安定してから許可が出ますが、個人差があります。

圧調整式シャント(プログラムバルブ)が入っています。MRIや磁石の影響が心配ですが入浴は大丈夫ですか?

入浴そのものはシャント設定に影響しません。磁石(MRI・強力磁石)への注意は別の話です。

プールには入れますか?

水泳・プールについては主治医に個別に確認してください。入浴より水圧・姿勢の条件が変わる場合があります。

頭が大きくて洗いにくいです。

頭囲が大きい場合は頭部を支えながらの洗髪が困難なことがあります。スイトルボディを使うとベッドに頭を置いた安定した体位で洗髪できるため、介助が楽になったというご家族の声があります。


まずはご相談ください

「シャントがあっても使えますか?」「どの部位なら使えるか確認したい」——お子さんの状態をお聞きしたうえでご案内します。

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*本記事は2026年5月時点の情報に基づいています。シャントの管理・入浴可否については必ずお子さんの主治医の指示に従ってください。*