アンジェルマン症候群は15番染色体の異常により生じる神経発達障害で、重度の知的障害・言語発達の遅れ・てんかん・多動・特徴的な笑顔と明るい気質が見られます。水を好む傾向があるお子さんも多く、入浴時には独特の介助の工夫が必要です。
このページでは、アンジェルマン症候群のあるお子さんの入浴時の特性・リスク・安全なケアの方法を解説します。
※ 入浴方法については必ず主治医・訪問看護師の指示に従ってください。
アンジェルマン症候群の特性と入浴への影響
てんかん発作のリスク
アンジェルマン症候群のある方のほとんどにてんかんがあります。発作のタイプ・コントロール状況は個人差が大きく、入浴前後の状態確認が特に重要です。
- 発作が増えている時期・直後は入浴を避ける
- 発熱・疲労・興奮時は発作が起きやすいため入浴の可否を慎重に判断する
- 入浴中は常に顔色・意識・体の動きを観察する
- 万が一発作が起きた場合の対処手順を訪問看護師と確認しておく
多動・水への過度な興味
アンジェルマン症候群のあるお子さんは水を好む傾向があり、浴室・浴槽で動き回ろうとすることがあります。一方で行動の予測が難しく、急に動いたり水をはねたりすることで転倒・溺水のリスクが生じます。
- 一人での入浴介助は特に難しく、可能であれば複数人で行う
- 浴槽内での急な動きに対応できる体制・深さを確認する
- 移動・動きを制限するより、安全な環境を整えることを優先する
感覚の特性
水・温度・音への感覚反応は個人差があります。シャワーの音や突然の水の感触を嫌がるお子さんがいる一方、水が大好きで浴槽から出るのを嫌がるお子さんもいます。お子さんの感覚の特性を把握したうえで環境を調整してください。
コミュニケーションの困難
アンジェルマン症候群のあるお子さんはほぼ話せないため、「痛い・熱い・嫌だ」という感覚を言葉で伝えることができません。お子さんの表情・体の動き・表現をよく観察して、不快のサインを読み取ることが重要です。
安全な入浴方法の選択
浴槽入浴の安全確保
多動があるお子さんの浴槽入浴では以下の点を徹底してください。
- 浴槽のお湯は浅め(お子さんの腰が浸かる程度)にする
- 浴槽内に滑り止めマットを敷く
- 浴槽の外に出ようとする際に転倒しないよう介助者が位置を取る
- 入浴時間を短くし、長湯を避ける
- 発作時にすぐ浴槽から出せる体制で行う
ベッドサイドケアへの移行を検討する場面
以下の状況では浴槽入浴よりスイトルボディを使ったベッドサイドケアが安全です。
- てんかんのコントロールが不安定な時期
- 多動が激しく浴槽内での安全確保が難しい
- 介助者が一人で対応しなければならない
- 体格が大きくなり浴槽への移乗が困難になった
ベッドでの横臥位でケアを行うため、急な動きがあっても転倒・溺水のリスクがなく、介助者一人でも安全に対応できます。
一人介助のポイント
アンジェルマン症候群のあるお子さんを一人で入浴介助する際は、常に手が届く距離でケアを行ってください。目を離すと浴槽内での急な動きや転倒のリスクが高まります。
可能であれば介助者を増やすか、浴槽入浴をベッドサイドケアに切り替えることで一人介助の安全性を高められます。
入浴前後の確認ポイント
入浴前:
- 最後の発作からの時間・発作の状態
- 体温・全身状態・機嫌の確認
- 興奮状態が高い場合はケアのタイミングをずらすことを検討
入浴後:
- 発作の有無・覚醒状態の確認
- 体温の安定を確認する
- 皮膚の保湿ケアを行う
補助金制度について
スイトルボディは日常生活用具給付制度の対象品目です。療育手帳・身体障害者手帳・小児慢性特定疾病医療受給者証をお持ちのご家族は費用の最大9割以上が補助される場合があります。
よくある質問
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水が大好きで浴槽から出るのを嫌がります。どうすればよいですか?
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入浴時間が長すぎると体力消耗・発作リスクが上がります。お気に入りのタオルを見せる・ルーティン化して「お風呂の後はこれ」という見通しを作るなどの工夫が有効な場合があります。作業療法士・訪問看護師にも相談してみてください。
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多動があって一人では入浴介助が怖いです。
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浴槽入浴を続ける場合は介助者を増やすことをお勧めします。難しい場合はスイトルボディでのベッドサイドケアへの移行を検討してください。溺水リスクがなく、一人でも安全に行える方法です。
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てんかん薬を服用しています。入浴のタイミングに注意が必要ですか?
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薬の服用直後・眠気が強い時間帯は発作リスクが変化することがあります。主治医にお子さんの薬と入浴タイミングの関係を確認してください。
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アンジェルマン症候群でスイトルボディを使っているご家族はいますか?
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はい、実際にご活用いただいているご家族がいます。体験会でお子さんの反応を確認することもできます。お問い合わせフォームよりご連絡ください。
まずはご相談ください
「アンジェルマン症候群の子どもにも使えますか?」——お子さんの状態をお聞きして、安全な使い方をご案内します。
*本記事は2026年5月時点の情報に基づいています。入浴管理については必ずお子さんの主治医・訪問看護師の指示に従ってください。*

