「気管切開と胃ろうの両方があって、どう洗えばよいかわからない」「吸引しながら入浴介助を1人でやるのが怖い」——医療的ケアが複数重なるお子さんの入浴介助は、個別の対応が積み重なるため、手順の整理・安全管理が特に重要です。
このページでは、複数の医療的ケアが重なる場合の入浴介助の考え方・優先順位・手順書作成のポイントを解説します。
※ 複数の医療的ケアがある場合の入浴方法は、必ず主治医・訪問看護師と個別に手順を確認してください。
複数の医療的ケアが重なる場合の基本的な考え方
「全部を完璧にやろうとしない」
気管切開・胃ろう・吸引・人工呼吸器が重なる場合、すべてに最高水準の対応をしながら入浴介助を行うことは、介助者への過大な負担になります。
考え方の基本:
- 禁忌事項(やってはいけないこと)を明確にする → これだけ守れば大丈夫という線引きを作る
- 優先順位を決める → どのケアがより緊急性・重要性が高いか
- 省略できる部分を決める → 体調の悪い日は「最低限これだけ」というラインを決めておく
訪問看護師との手順書作成が必須
複数の医療的ケアが重なる場合は、家庭独自の判断で手順を決めるのではなく、訪問看護師・主治医と一緒に入浴手順書を作成することが強く推奨されます。
手順書には以下を記載します:
- ケア前の準備物と確認事項
- 各医療的ケア部位への対応(禁忌・注意事項)
- 洗う順番と手順(どこから始めてどこで終わるか)
- 緊急時の対応と連絡先
医療的ケア別の禁忌事項と注意点
気管切開
絶対禁忌: 気管切開部位・ストーマへの水の侵入
- 防水カバーを必ず装着してから開始する
- 頸部・喉元へのシャワーの水飛び・直接の水かけを避ける
- 入浴中は防水カバーが外れていないか定期的に確認する
胃ろう
造設直後は特に注意: 造設部位の状態に応じた対応を主治医に確認する
- 造設部位の状態(発赤・滲出液・肉芽)を入浴前に確認する
- 安定期は造設部位周囲を石鹸でやさしく洗うことができる
吸引
- 入浴前に痰を吸引し、気道を清潔にしてから開始する
- 吸引器を手の届く場所に準備してから開始する
- 入浴中に痰が絡んだ場合は一時中断して吸引する
- ベッドサイドケアであれば吸引器を隣に置いてすぐに対応できる
人工呼吸器
- 回路の防水・接続状態を入浴前に確認する
- 呼吸器科・担当医の許可なく入浴しない
- 訪問看護師の同席が原則
複数ケアが重なる場合の入浴の流れ(例)
以下は気管切開+胃ろう+吸引が重なる場合の入浴手順の例です。お子さんの状態に合わせて訪問看護師と調整してください。
【準備】
・防水カバー装着確認(気管切開)
・吸引器を手の届く場所に準備
・胃ろう造設部位の状態確認
・お湯の温度確認(37〜38℃)
【入浴前】
① 痰の吸引を行う
【洗う順番(一例)】
② 顔・頭(気管切開部位を避けながら首まわりは最後に)
③ 手・腕・胸(胃ろう部位周囲を除く→後で個別ケア)
④ 体位変換(側臥位)→背中・臀部
⑤ 仰臥位に戻す→陰部・下肢
⑥ 胃ろう造設部位の個別洗浄
⑦ 首まわり(防水カバーを再確認しながら)
【入浴後】
⑧ 全身を押さえ拭き
⑨ 胃ろう造設部位のドレッシング
⑩ 保湿・着替え
⑪ 防水カバーを外す(気管切開)
ベッドサイドケアが最も適している理由
複数の医療的ケアが重なる場合、スイトルボディを使ったベッドサイドケアが最も管理しやすい選択肢です。
- 吸引器・医療機器をベッド周囲に配置して即座に対応できる
- 浴槽への移乗という最も事故リスクが高い行為が不要
- 洗う部位・手順を細かく調整しながら進められる
- 緊急時にベッドの上で安全に対応できる
よくある質問
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気管切開と胃ろうの両方があります。1人で入浴介助できますか?
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複数の医療的ケアが重なる場合の入浴介助は、2人以上で行うことが強く推奨されます。訪問看護師・訪問ヘルパーとの連携体制を作ることをお勧めします。1人での実施が避けられない場合は、スイトルボディでのベッドサイドケアに切り替え、訪問看護師と安全な手順を確認してください。
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気管切開の防水カバーが入浴中に外れたことがあります。
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防水カバーの固定方法・テープの種類を見直してください。汗や水で接着力が低下する場合は、防水性の高い医療用テープへの変更を訪問看護師に相談してください。
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体調の悪い日はどこまでやればよいですか?
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「最低限これだけやれば十分」というラインを手順書に明記しておくことをお勧めします。例:「陰部・顔・気管切開周囲のみ」など。完璧を求めず、体調に応じて柔軟に対応することが長期的なケアの継続につながります。
まずはご相談ください
「複数の医療的ケアがある状態でスイトルボディは使えますか?」——お子さんの状態をお聞きして、安全な使い方をご案内します。
*本記事は2026年5月時点の情報に基づいています。複数の医療的ケアが重なる場合の入浴手順は、必ず主治医・訪問看護師と個別に確認してください。*

