寝たきりや長時間同じ体位をとることが多い障害のある子どもは、床ずれ(褥瘡)のリスクが高い状態にあります。清潔ケア・入浴は褥瘡予防の重要な柱のひとつです。

このページでは、褥瘡の基礎知識・好発部位・入浴時の注意点・清潔ケアとの組み合わせ方を解説します。

※ 褥瘡の処置・管理については必ず主治医・訪問看護師の指示に従ってください。


床ずれ(褥瘡)とは

褥瘡は、体の一部に持続的に圧力がかかることで血液の流れが悪くなり、皮膚や皮下組織が壊死する状態です。「床ずれ」とも呼ばれます。

障害のある子どもに多い発生要因には以下があります。

  • 同じ体位で長時間過ごしている(自力での体位変換が難しい)
  • 皮膚が薄く、骨の突出が大きい
  • 栄養状態が不良で皮膚が脆弱
  • 失禁・おむつ使用により皮膚が湿潤しやすい
  • 感覚障害があり痛みを自覚できない

褥瘡の好発部位

骨が皮膚に近い部位に発生しやすいです。主な好発部位は以下のとおりです。

体位 好発部位
仰向け(仰臥位) 仙骨・踵(かかと)・肘・後頭部
横向き(側臥位) 大転子(腰横)・膝外側・耳・肩
うつ伏せ(腹臥位) 膝・胸骨・頬骨
座位 坐骨・尾骨・大腿後面

おむつ使用部位(仙骨・臀部)は特にリスクが高く、清潔ケアの際に必ず確認してください。


入浴・清潔ケアが褥瘡予防に重要な理由

皮膚の清潔を保つことで壊死リスクを下げる

汗・尿・便による皮膚の汚染は皮膚のバリア機能を低下させ、褥瘡の発生・悪化を促進します。定期的にお湯で洗い流し、皮膚を清潔に保つことが予防の基本です。

入浴・清拭は全身皮膚の観察の機会

入浴・清拭の際に全身の皮膚状態を観察することで、褥瘡の初期サイン(持続する発赤・皮膚の硬さ・温感の変化)を早期に発見できます。

血液循環の促進

お湯で体を温め、やさしくマッサージしながら洗うことで皮膚の血液循環が改善されます。体位変換と組み合わせることで褥瘡予防効果が高まります。


入浴時・清潔ケア時の注意点

褥瘡がある部位の扱い

褥瘡がある部位を直接こすらないようにしてください。ガーゼ・ドレッシング材で保護している場合は、訪問看護師の指示に従って入浴前に保護材の扱いを確認してください。

ステージが進んだ褥瘡(深い潰瘍・感染がある)は、入浴可否を主治医・訪問看護師に必ず確認してから判断してください。

皮膚への摩擦を最小限にする

タオルでごしごし拭くことは皮膚の摩擦・ずり力(シアー)を増加させ、褥瘡リスクを高めます。

  • 洗うときはやさしくなでるように
  • 拭くときは「押さえ拭き」にする(こすらない)
  • 低刺激の洗浄剤を使う
  • 柔らかいタオル・ウォッシュクロスを使う

入浴後の保湿を丁寧に行う

乾燥した皮膚は摩擦に弱く、褥瘡のリスクが上がります。入浴・清拭後は必ず全身に保湿剤を塗布し、特に骨突出部位・おむつ使用部位を重点的に保湿してください。

障害のある子どもの皮膚ケアについて詳しく読む


ベッドサイドケアが褥瘡予防に有効な理由

浴槽への移乗・抱き上げは、皮膚に強いずり力(シアー力)を加えます。特に褥瘡リスクが高いお子さんや、既に褥瘡がある場合は移乗による皮膚への負担を最小限にすることが重要です。

スイトルボディを使ったベッドサイドケアは、移乗・移動なしにベッドの上でお湯による全身清潔ケアができます。皮膚への不必要な摩擦・ずり力を避けながら毎日清潔を保てるため、褥瘡予防の観点からも有効です。

  • 浴槽移乗による皮膚へのずり力がゼロ
  • ケアの際に体位を大きく変えずに行える
  • 毎日の清潔ケアを継続しやすい
  • 皮膚状態を観察しながらケアができる

スイトルボディの仕組みと特長を詳しく見る


褥瘡の早期発見:入浴時に確認すべきサイン

入浴・清潔ケアの際に以下のサインを発見したら、訪問看護師に速やかに報告してください。

サイン 意味
押しても消えない発赤(紅斑) 褥瘡ステージ1(表皮損傷なし)
水疱・浸潤 ステージ2(部分的な皮膚損傷)
黒色・壊死組織 ステージ3〜4(深部組織の損傷)
周囲の腫脹・熱感・臭い 感染の可能性

「いつもと少し違う気がする」という直感も大切にしてください。早期発見が予後を大きく左右します。


訪問看護師との連携

褥瘡管理は訪問看護の重要な業務のひとつです。褥瘡があるお子さんの入浴介助の方法(体位・洗い方・保護材の扱い)については、担当の訪問看護師と手順を確認・統一してから行ってください。

「どう洗えばよいかわからない」「傷があって入浴を躊躇している」という場合は、訪問看護師に相談することで安全な方法を一緒に決めてもらえます。


補助金制度について

スイトルボディは日常生活用具給付制度の対象品目です。障害者手帳・療育手帳をお持ちのご家族は費用の最大9割以上が補助される場合があります。

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よくある質問

褥瘡がある状態でも入浴できますか?

褥瘡のステージ・感染の有無によって入浴可否が変わります。必ず主治医・訪問看護師に確認してから判断してください。軽度の発赤(ステージ1)であれば清拭やスイトルボディでの部分ケアは可能なことが多いですが、必ず専門家に相談してください。

褥瘡予防のために入浴頻度を増やすべきですか?

毎日の清潔ケアが理想ですが、浴槽入浴でなくてもスイトルボディや清拭でも構いません。「毎日皮膚を観察して清潔に保つ」ことが重要です。

褥瘡部位の保護材(ドレッシング)は入浴前に外すべきですか?

保護材の種類・状態によって異なります。訪問看護師の指示に従ってください。防水性のドレッシング材であれば入浴中もつけたままケアできる場合があります。

体位変換クッションと入浴ケアはどう組み合わせればよいですか?

入浴・清潔ケア後は保湿を行い、体位変換クッションを使って圧力が一カ所に集中しないポジショニングを行ってください。ポジショニングの具体的な方法は担当の理学療法士・訪問看護師に相談してください。


まずはご相談ください

「褥瘡があってもスイトルボディは使えますか?」——お子さんの状態をお聞きして、安全な使用方法をご案内します。

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*本記事は2026年5月時点の情報に基づいています。褥瘡の管理・入浴可否については必ずお子さんの主治医・訪問看護師の指示に従ってください。*