ミトコンドリア病は、細胞内のエネルギー産生を担うミトコンドリアの機能不全により生じる疾患群です。筋肉・脳・心臓・肝臓など、エネルギー消費の大きい臓器が広く影響を受けます。症状は易疲労性・筋力低下・てんかん・心筋症・体温調節障害・消化器障害など多岐にわたり、個人差が非常に大きい疾患です。

入浴はエネルギーを消耗する行為であり、ミトコンドリア病のお子さんにとって特に慎重な管理が必要です。

※ 入浴方法については必ず主治医・訪問看護師の指示に従ってください。


ミトコンドリア病の主な特性と入浴への影響

易疲労性・筋力低下

ミトコンドリア病の中心的な症状です。入浴は体力を消耗する行為であり、入浴後に著しい疲労・筋力低下が現れることがあります。

  • 入浴時間をできるだけ短くする
  • 入浴は一日の中で体力がある時間帯に行う
  • 入浴後は十分な休息を取れる時間を確保する
  • 体調の悪い日・疲労感が強い日は清拭・部分ケアに切り替える

体温調節障害

体温調節に関わる自律神経・筋肉の機能が低下しているため、環境温度の変化への対応が難しいことがあります。

  • 高温のお湯(40℃以上)は体温上昇・疲労悪化のリスクがある
  • ぬるめのお湯(37〜38℃)を基本とする
  • 入浴後に体が急激に冷えないよう、脱衣所・部屋の温度を事前に整える
  • 季節の変わり目・気温差が大きい日は特に注意する

心筋症

ミトコンドリア病に伴う心筋症がある場合は、心疾患に準じた入浴管理が必要です。

  • お湯はぬるめ・入浴時間は短く
  • 心機能の状態を主治医に確認してから入浴方法を決める
  • 入浴中の顔色・呼吸・SpO2を観察する

てんかん

ミトコンドリア病にはてんかんを合併するケースが多くあります。発作リスクがある場合は入浴誘発発作(温熱による発作)にも注意が必要です。

てんかんのある子どもの入浴について詳しく読む

嚥下・消化機能の問題

嚥下機能が低下しているお子さんは、入浴中の口腔への水の誤嚥に注意が必要です。頭部の体位管理を適切に行ってください。


エネルギー消耗を最小限にした入浴方法

ミトコンドリア病のお子さんの入浴は、いかにエネルギー消耗を少なくするかが最大のポイントです。

ベッドサイドケアが特に有効

スイトルボディを使ったベッドサイドケアは、ミトコンドリア病のお子さんに特に適しています。

  • 浴槽への移乗・抱き上げがなく、お子さんのエネルギー消耗を最小化できる
  • ベッドで横になったまま行うため、体への負担が少ない
  • ケアの範囲・時間を細かく調整できる
  • 体調が悪い日は「陰部と顔だけ」という短時間ケアにも柔軟に対応できる

「体調の良い日は全身ケア、悪い日は部分ケア」という柔軟な運用がしやすいのも、スイトルボディを選ぶ理由のひとつです。

スイトルボディの使い方を詳しく読む

入浴の「所要時間」を短縮する工夫

  • ケアに使うものをすべて手の届く場所に準備してから開始する
  • 手順を毎回同じにして無駄な動作をなくす
  • 部位ごとに「今日やること・省略できること」の優先順位を決めておく

入浴を避けるべき日

以下の状況では入浴を避け、清拭・部分ケアにとどめることをお勧めします。

  • 体調不良・発熱がある
  • 著しい疲労感がある
  • 直近に発作があった
  • 心機能が不安定な時期
  • 主治医から入浴制限の指示が出ている時期

補助金制度について

スイトルボディは日常生活用具給付制度の対象品目です。身体障害者手帳・療育手帳・小児慢性特定疾病医療受給者証をお持ちの場合、費用の最大9割以上が補助される場合があります。

補助金での購入手順を詳しく見る


よくある質問

入浴後にひどく疲れて、夕食が食べられないことがあります。

ミトコンドリア病では入浴後のエネルギー消耗が大きくなることがあります。入浴を夕食前から夕食後に変える・入浴時間を短縮する・ベッドサイドケアに切り替えるなどの対応が有効です。主治医に相談してください。

体調の良し悪しで入浴できる日とできない日があります。

ミトコンドリア病では体調の変動が大きいのが特徴です。「毎日必ず入浴しなければ」と考えず、体調に合わせて全身ケア・部分ケア・清拭を使い分けることが大切です。

夏に入浴させると体温が上がりすぎます。

夏はぬるめのお湯(37℃以下も検討)・短時間・室温管理を徹底してください。スイトルボディを使ったベッドサイドケアはエアコンの効いた部屋で行えるため、環境温度のコントロールがしやすいです。


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*本記事は2026年5月時点の情報に基づいています。ミトコンドリア病の管理・入浴可否については必ずお子さんの主治医の指示に従ってください。*